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農業をやりたい人を育てたい!

goto2なだらかな斜面が続く先が見えないほど緑一面のブドウ棚。この一角で、この時期作業のお手伝いと研修中の女性に熱心に作業指導する姿があった。

すでに3名の研修生を受け入れ、「体験塾」などの農業体験を積極的に受け入れている後藤さんには、そうした行動につながる強い思いがある。「この地域は、果樹栽培に最適な土地。なのに高齢でやめざるをえなかったり後継者がいなかったりで、このままだと果樹栽培を引き継いでいけない。」と。この地で果樹栽培を続けてきた思いを垣間見ることができる。後藤さんの息子さんが「いまのところ農業を継ぐ意思がなさそう」ということもその一因となっている。「農業をやりたい人を育てたい」という思いは地域外からでも意思のある人がどんどん入ってきてほしいという思いと同じなのだ。

goto3里親制度による研修当初、人によって後藤さんとまったく同じ作業をすることが「就労」なのか「研修」なのか捉え方の違いがあったり、鍬の使い方もわからない研修生に「心の準備ができているのか」と思える瞬間があったり。技術指導がこれでいいのか、と悩んだこともあった。
しかし、それも時間と共に変わっていく。良く話をして、作業をしっかり覚えてもらい、知らないことは一から教えればいい。suzakanewsまた、JA・農業改良普及センター主催の研修会(年10回)の技術指導とそれを実践・体験する場として里親研修の指導をするというやり阿多で気が楽になった。お互いがいっしょに勉強していこうという姿勢に転換した。「せっかく研修に来たんだから、何とか就農までつなげてあげたい」という後藤さんの優しい気持ちは、いっしょに勉強することで研修生に伝わり信頼が深まっていった。

「果樹地帯は、絶対荒廃させない。」という強い気持ちと合わせて、後藤さんにはその先の夢がある。都市部と農村部の交流施設を作り、いわゆる六次産業(農畜産物の生産だけでなく、食品観光、流通、販売にも農業者が積極的に関わること)に向け、ウチで育った人たちと共同でやっていくことができたらいいという。2年前発足した須高地域の里親制度は、里親の情熱と技術の高さに支えられており、研修者には就農への重要なステップとなっている。

平成25年長野県須高農業振興会議発行「須高新規就農ガイド」より
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